わたしのげぼく

久しぶりに絵本を引っぱり出して読んだら大号泣しました。

この切なさとあったかさを分かち合いたいのでご紹介します。

ねこと暮らすわたしが心からおすすめする、大人にもぜひ読んでほしいねこ絵本です。



わたしのげぼく

かっこよくて、かしこくて、

すばやいのがじまんな、

かわいいオスねこの「わたし」。

そして

どんくさい「げぼく」のお話です。

『わたしのげぼく』

作・上野そら 絵・くまくら珠美

本屋さんで初めて見かけた時はなんかすごいタイトルの絵本だ…とびっくりした記憶があります。

でも間違ってない、ねこ飼いさんはみんな「げぼく」ですから。



タオルとティッシュ必須です

最初に。

読むときはタオルと鼻かみ用のティッシュをご用意ください。しばらくは涙と鼻水がとまりません。

更にねこ飼いの皆さんは、お膝の上ににねこちゃんをご準備ください。

読後に泣きながらなでくり回したくなります。

もしかしたら余計に涙がでてしまうかもしれませんが、スッキリするまで思い切り泣いてしまうことをおすすめします。



さて、この絵本。

前半は「わたし」と「げぼく」の出会いやお世話のシーンが描かれていて、うちの子と重ねたりしつつ微笑ましく見ることができます。

ねこ飼いあるあるの破壊事件やおみやげ事件が描かれていて「あーうちもあったあったこんなこと…( ˘ω˘ )」という他の飼い主さんたちの声が聞こえてくるようでした。

我が家ではおみやげ事件はまだ発生していませんが、破壊事件は一時期ちょこちょこ発生していました。

ねこは身軽で好奇心旺盛なのでちょいちょいと前足でちょっかいを出して物を落として遊んでいます。最近では腕時計を壊されましたが可愛いので許します。



…話が逸れましたね。

さて、絵本の後半からは大きく成長してもどんくさいままの「げぼく」と老いてもかわいいままの「わたし」の話。

ここからは一気に涙腺がゆるみ泣きっぱなしになること間違いなしです。準備していたタオルを使ってください。

老いていくのは見た目だけでなく、身体能力もだということをたった2ページで表現しているシーンがあり、そのページを見ると切なくて切なくてたまりません。

若い頃は軽くジャンプして登れていたであろうテーブルの上は、老いた「わたし」にはもう登ることはできません。

ただ見上げることしかできないのです。



柔らかくてあたたかい絵柄によりいっそう涙がこぼれてきます。

自分の老いと死を自覚している「わたし」の結末はぜひあなた自身の目で確認してみてください。

わたしは定期的に読み返してしまう絵本です。

読み返す度にねこたちとの時間を、いま以上に大切にしたい気持ちが涙と共に溢れてきて止まらなくなります。



涙で前が見えなくなる愛あふれる絵本

星を見る事が大好きな「げぼく」。

大きくなった「げぼく」が星に3回唱えて叶えたい願いごとは、いったいどんなことなんでしょうか。

私は、どんくさい「げぼく」がいつかまた「わたし」と再会して、いっぱいなでて、いっぱい抱きしめてあげてくれますようにと思わず願ってしまいます。

どんなにどんくさくても、「げぼく」のことが大好きな「わたし」。

優しくてあったかい、愛と涙があふれる絵本です。

大切な子たちがいる人はぜひ、読んでみてください。

この絵本を読んだ後、あなたはきっと夜空を見上げて流れ星を探すでしょう。

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