猫の慢性腎不全

今日は我が家の玉ちゃんの病気、『慢性腎不全』について簡単にお伝えしたいと思います。

猫の慢性腎不全って?

まず慢性腎不全についてお伝えしたいことが2つあります。

慢性腎不全は原因不明であること

完治することのない、不治の病いであることです。

慢性腎不全とは何かしらの原因から、腎臓機能が低下していく病気です。

血液中の老廃物をきれいにしたり水分の吸収がうまくできなくなってしまい、悪化すると脱水症状や尿毒症を引き起こしてしまいます。

腎臓は再生することのない臓器なので一度失われた腎臓の機能が戻ることはありませんし、腎臓機能が低下していくのを止めることもできません。

そして猫は腎臓病にかかりやすい動物といわれていて、特に10才を超えると3匹のうち1匹がかかると言われるほどです。

また症状は緩やかに進行していくため、飼い主さんが初期段階で気付くことはとても難しい病気です。

私も、ねこ達が10才を超えればいずれ腎臓の病気になるかもしれないとは思っていましたが、まさか玉ちゃんが6才という早い年齢で発症すると思っていなかったので随分とショックを受けました。

玉ちゃんの場合も多飲多尿などの症状は一切でておらず、ワクチン摂取のときに血液検査を行い偶然発見することができましたが、もしあの時検査をしていなかったら症状がはっきりと出るほど状態が悪くなっていたでしょう。

そしてそうなってからでないと私はきっと、気付けなかったと思います。

 



治療法はある?

残念ですが、腎臓機能の低下を止めることは出来ません。

ですが、機能低下の進行をゆっくりにすることは出来ます。

1.食事療法

2.セミントラ、テルミサルタン、ラプロスなどの投薬

投薬は病気進行具合にも寄って代わってきますが、メインは食事療法となります。

我が家ではロイヤルカナンの腎臓サポートを食べてもらってます。

【腎臓サポート】とは腎臓に負担がかかるタンパク質やリン、塩分を調整したフード。

それから水分摂取量を増やしてあげることも大切です。

脱水状態になってしまうと腎臓の機能が低下してしまうので、猫が小まめに水分を取ってくれるよう工夫してみてください。

私はフードを与える際に少しだけお水をかけて食べてもらったり、冬場はぬるま湯を準備したりしています。

飼い主さんが出来ること、年に1回の血液検査を。

代われるものなら代わってあげたいと、何度も思います。

だけど代わってあげることはできません。

飼い主のみなさんが出来ること。

それは血液検査を最低でも1年に1回、ワクチン摂取のついででかまいません、どうか受けてあげてください。

血液検査を行いクレアチニンの数値をみれば、異常があるときはすぐにわかります。

そして常日頃から猫の様子をしっかり見ておくこと。

ちょっとでも気になることがあればすぐに病院へ行ってかかりつけの獣医さんへ相談してください。

何もなければそれでいいんです。

言葉が喋れないねこ達にはちょっと大袈裟に心配するくらいがいいんだと、個人的に考えています。

先ほども少し書きましたが、玉ちゃんは1年に1回ワクチン摂取と一緒に行っている血液検査で偶然クレアチニンの数値が2.0と高いことが分かりました。

念のため日を空けて再度血液検査を行いましたが、診断結果は『慢性腎不全』のステージ2。

クレアチニンの正常値は0.5~1.6なので随分高くなってしまっていました。

◻︎頻繁に水を飲む

◻︎おしっこ色が薄くなり量が多くなった

そういった腎臓病特有の症状が出ていなかったので私はまったく気付けませんでした。

その後尿検査も行い、尿の色も濃く腎臓の濃縮機能は今のところはきちんと働いていることを確認。

そうして全ての検査を終えたとき「せんせい、玉ちゃん、まだ6才になったばっかりなんです…」と、それだけなんとか呟いて、ショックから沈黙していました。

そんな私に先生は、「早期で見つかった方ですよ。まだ6才と早いですが、平均寿命を目指しましょう」と事細かに説明してくれた後にそう優しく声をかけてくれました。

それでも、ただただショックを受けて、長くてもあと10年しか一緒にいられないのかと落ち込みながらも、その日のうちに療法食『腎臓サポート』を購入しフードの切り替えを行いました。

そしてその1ヶ月後、療法食以外に私にできることがあればと思い先生に「他に何か出来ることはありませんか?」と聞いてみました。

「では”セミントラ”というお薬をあげてみますか?ただ投薬開始すれば亡くなるまで止めることはできませんよ」と提案してくれました。

クレアチニンの数値の上昇を少しでも抑えることができれば、そして少しでも元気に長生きしてほしい…と『セミントラ』の投薬を決めました。

コロナが広がってからセミントラの国内供給がストップしてしまいましたが、先生と相談し同じ成分の『テルミサルタン』をいう錠剤を現在は与えています。

薬を切り替えてもう1年ほど経ちますがおかげで数値も2.0から1.8へと下がり、その後も状態悪化することもなく落ち着いています。

現在は半年に1度の血液検査で数値をチェックしており、嬉しいことに今のところは本人(猫ですが)にも異常なく元気に過ごしています。

元気に長生きしてもらうために、出来るだけストレスがかからないように。

毎日を快適に過ごしてもらえるように考えつつ、私も日々を過ごしています。

可愛い可愛い小さな家族が元気に過ごしてくれるなら私もとっても幸せです。

猫飼いの皆さま!最低でも年に1回の血液検査をぜひ行ってください!!

完治することはありませんが、早期に発見し食事療法などを行えば病気の進行を遅らせ余命を少しでも長くすることができます。



診断を受けて2年が経過。変化は?

2021年現在。

慢性腎不全と診断されてから2年が経ち、玉ちゃんは8才になりました。

人間でいえば48歳くらいですね。

療法食の腎臓サポートがお気に召してくれたのか嫌がることなく食べてくれ、毎日のお薬も上手に飲んでくれています。

そのおかげ今日も元気にご機嫌に過ごしてくれています。

不安だったクレアチニンの数値も正常値を越したままではありますが、当初の2.0から少し下がり1.8をキープし続けています。

これには獣医さんもよかった。と顔をほころばせてくれました。

もちろん治ったわけではないのですが、状態が悪化していない、現状維持ができているならそれが一番だと思っています。

それから、多飲多尿などの症状も相変わらず発生していません

特に在宅中は注意して様子をみていますが、現在も特に変わったところは見受けられません。

けれどこれに安心しすぎてしまわないように、これからもしっかりと定期検診や観察は続けていきます。ずっと。

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